グローバルレポート|海外観光客の目的地の高山:COVID 19の影響とツーリズム回復への道

Centric Japan 2020年9月7日

岐阜県高山市はインバウンドツーリズムで成功した人気の目的地です。COVID19の影響、ツーリズム回復のためにどのような対策をとっているのか?以下高山市のインバウンド戦略担当の畑尻氏へのインタビューです。

  • 高山市への海外旅行者:高山市への旅行者数は2011年から増加し、2019年には初めて60万人を超えました。高山を訪れるとツーリストの数が飛躍的に伸びているとの印象を受けますが、実際は国内、海外を含めツーリストの数は劇的に伸びているわけではありません。2009年から2019年にかけての訪問者数は1.17倍です。しかし宿泊を伴う訪問者については海外のツーリストは4.16倍に増加しました。国内ツーリストがゆっくりと減少する一で、海外のツーリストが国内の旅行者の減少分を補っていました。海外のツーリストでは台湾(103,763),中国(61,841),タイ(52,945)の順で多く、以下に香港、スペイン、米国、オーストラリア、英国、フランス、イタリアと続きます。ツーリストはアジアに偏らず、高山では23%はヨーロッパからのツーリストです。(日本全体では6%)
  • いかにして高山はインバウンドツーリズムに成功したのか:高山はインバウンドツーリズムが脚光を浴びる前から海外の旅行者の誘致に努力してきました。1985年には海外都市宣言をし、1996年には多言語ウエッブサイトを立ち上げています。官民双方での海外のツーリスト誘致の促進は30年以上に渡っています。具体的には他言語のウエッブサイト(11以上の言語)、パンフレット作成(10言語)、WiFiの開発、通訳ガイドの育成など。また高山市はムスリム観光客を歓迎し、英語、インドネシア語でハラルレストラン、そしてお祈りができる所を地図で紹介しています。高山市が成功した理由の一つには高山市民の観光客を歓迎し、尊重する態度です。それがさらにソーシャルメディアで新たな訪問者を増やしています。
  • COVID19そして高山市ツーリズムへの影響:コロナウイルスのため高山市は大きな影響を受けています。昨年と比較すると訪問者数は1月は実際昨年を上回っており、2月は減少し、3月は2分の1となりました。4、5月は昨年比90%以上の落ち込みとなりました。直接に影響を受けたのは宿泊施設、レストラン、飲食の販売、小売業界です。2019年の高山市のツーリズム経済規模は2150億円。内外国人ゲストは20.7%で約445億円の規模です。COVID19の高山市への影響はあまりに大きなものになっています。
  • 高山市のCOVID19後のインバウンドツーリズムプロモーモーション戦略:高山市はいくつかの販促戦略を検証しているところで、3つのフェーズに分けています。一つは旅行制限が継続している場合、もう一つは入国制限が徐々に解除される場合、そして最後は入国制限が撤廃された場合。いまのところ日本に近い国、具体的にはタイ、台湾、オーストラリアに焦点をあてています。台湾、オーストリアで開催予定だった旅行博をキャンセルしたり、イベントの中止などを余儀なくされましたがそのかわり高山ブランド維持のためのデジタルプロモーションなどの努力をしています。高山市のFBのなかでShining Peopleというシリーズがあります。ここでは高山市のツーリズムに携わる人に焦点をあて、コロナが収束した後、人々を歓迎する準備をしているというメッセージを発しています。背景に高山の人々が高山のツーリズムの成長を支えていることがわかります。現在、海外旅行は難しいですが、COVID19を念頭に置き、郊外、アウトドアを紹介しています。ウイルスの影響が出始めた2020年4月に高山市海外戦略はまとめられました。「地域経済の活性化の努力、他文化意識の向上」を元に、高山市は海外戦略に関する詳細な政策を提案し、それは海外の旅行者を魅了することから双方の交流の活性化まで含んでいます。興味深いのは成功の指標を市民満足度指数としているところです。これはどれだけの住民が市が観光客で賑わっていると感じるか、そして人々と商品の売り上げが進んでいるかを測るものです。ツーリストの数の増加、そしてツーリストがどれだけ消費したかを短期の経済指標で測るのではなく、高山の多様な価値に根ざして市を開発することで繁栄のための土台を築いています。

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