グローバルレポート|いくつかの日本の古い百貨店に弔いの鐘がなる。

ロイター 2020年9月16日

  • 300年以上商売を続けてきた山形の大沼百貨店が今年破産手続きを開始しました。賑やかな食品売り場、ラグジュアリー商品、完璧なサービス、しかし買い物習慣の変化に伴い日本の百貨店は緩やかに衰退してきました。そして今、コロナウイルスパンデミックで米国ではロード&テイラー、ニーマンマーカスが破産する中、特に地方では百貨店は苦境に立たされています。先月には146年続いた福島の中合が閉店。北九州の井筒屋も主要店舗の一つを閉鎖しました。「皆残念だと思っています。しかし、最近これら店舗で人々がショッピングしなくなったからです。」と大沼百貨店を買収する山下修平氏。今年は消費者がショッピングを控え、ツーリズムは壊滅的な状況となり、売り上げは急落。業界の売上げは7月前年比5分の1に減少。政策担当者はさらに閉店が加速し、破産がさけられないと予測しています。
  • 今年よりも前から日本の百貨店は消費者がカジュアルなアイテムを多く求めているにもかかわらずUSD10,000の着物、高価なテーブルウエアー販売にこだわり苦戦してきました。また同時に消費者の多くはオンラインで購買するようになりました。業界全体の売り上げ、そして店舗数は1999年来30%減少し、百貨店203店舗は他のテナントにスペースを貸すなどして極端に店舗面積を減らしてきました。大都市の大規模チェーンも例外ではありません。三越伊勢丹も数店舗閉店し、3月には来年東京のダウンタウンの店舗も閉鎖すると発表しました。
  • しかし、最も懸念されているのは地域店舗の今後、地域経済への影響です。すでに何十年に渡りデフレが進行し、成長が鈍化し、若者が仕事を求めて流出しています。政策者は店舗の失敗が危機の種を撒き、窮地に立たされた貸し手は不良債権の増加に対処できなくなっています。菅官房長官(現在の首相)は地域経済の活性化は最優先の政策としています。しかし、コロナ禍の経済刺激策としてUSD2.2兆の資金が百貨店に投じられるかは不透明です。政策担当者によっては資金は実行可能な産業に使われるべきという意見もあります。
  • 大沼百貨店の今後はまだ明らかになっていません。山下の会社は店舗継続を希望していますが、債権者は利益の上がるものに投資をしたいのかもしれません。地元住民の中には大沼の失敗はオンライン販売の台頭、大都市への交通網の整備などのライフスタイルの変化についていけなかったからと言う者もいます。「インフラ、交通、ライフスタイル、情報、文化、価値ー全てが変化しました」と山形の金属加工会社の井上社長は大沼の破産を悲しみつつ、ブログに記しています。現在山下は9月末まで店舗を継続する支援をしています。山下は彼の店舗再生計画で、債権者を説得する希望を失ってはいません。「人々がかつて愛した場所であり、もう一つの高層ビル開発になってしまうのは残念だ」と。

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