グローバルレポート|ハワイにおけるパンデミック後の世界のツーリズムの再考

ニューヨークタイムス  2021年3月7日

  • 2019年にハワイ、オアフ島を訪れた旅行者は1,040万人、コロナパンデミックが始まり1年経過してホノルルを訪れたらまるで息をのむほどの変わり様です。空港ではほぼ全ての土産物屋、食品販売店は閉鎖。近隣のレストラン、バー、ツアーオペレーター、旅行代理店もずっと閉鎖のままです。スタッフのいないホテル、ツーリストが全くいない観光バス、肩が触れ合うことのない通り。一方、州政府は米国本土、海外、そしてハワイの各島からの旅行者の再開を計画しています。しかし、ハワイ観光局のある調査によると、ハワイ住人の約3分の2は観光客がハワイに戻ってきて欲しくないと思っているという結果がでています。世界保険機構が3月11日にパンデミックを宣言した後の旅行の急停止はツーリズムを再考し、再構築する時間を与えました。多くの人が必要悪、もしくは麻薬のように止められないと感じていた観光業について、旅行業に従事している業界、政府、個人が業界を変える方法を模索するようになりました。9月ベルリン、ボローニャ、プラハを含むヨーロッパの22都市の代表が短期バケーションレンタルについて厳しい規制を要求しました。ベニスでは旅行者の動きのデータを収集することで、同市の密集度を管理する方法を取り入れました。これにより関係者は携帯のデータで旅行者がどこから来て、どのくらいその場所に止まり、どこに行ったかを把握できます。これら旅行先の目的は、旅行者が戻ってくるのを待つ間に、旅行者だけでなく、地元の住民、そしてコミュニティーにとってもツーリズムをより良いものにしようとすること、そして経済を拡大し、それは単純にツーリズムに頼るだけではないということを意味しています。
  • 州立公園の再考: 2019年120万人以上がダイヤモンドヘッドを訪れています。近年、ダイヤモンドヘッドに行くのは旅行者にとってイライラすることでした。公園入口に何百という観光客を下ろすバス、車、もしくは徒歩でゆく観光客と一緒になり、入口には長い列ができました。溢れ出る観光客に、住民たちもうんざりしていました。土地天然資源局はパンデミックの間、信号機を追加したり、アクセスルートを変えたりし、地元の住民の生活を楽にするようにしました。ツーリズムを再考する他、多くの目的地同様、テクノロジー、データは変化を与える重要な鍵となります。現在、常時公園に入る人の人数制限をする予約システムを導入しようとしています。今後は時間により入園料も変えるなどのシステムも導入する意向。全ての変化はパンデミックにより進みました。これら変化は経験の質を高めます。再度2019年のツーリズムレベルに戻るまでに実行してゆきたいとしています。
  • ツーリズムからのシフト: ツーリズム、そしてハワイの将来について地元の人々との会話から人々は3つのグループに分けられます。一つはツーリズムはハワイを破壊するため、なくすべきとする絶対主義者たち。2番目は逆の立場の人々で、ツーリズムは経済の潤滑油であり、人々を雇用し、多くの人はツーリズムとともに暮らすとしている人たち。3番目は農業の成長を促すとする人たち。「グリーンカラーの仕事」と呼ばれ、パンデミック中も成長。Kako'o Oiwiはタロイモなどを栽培することで、数百エーカーの湿地を本来の状態に取り戻すために取り組んできた農場。パンデミック発生前はエコツーリズムプログラム強化の方法について話し合ってきましたが、昨年は多くの地元の人たちが働きにきました。Kako'o Oiwiの組織の一つ、Kupu,は昨年350名以上の人を雇用。9月から12月の間、KupuはハワイにUSD650万以上の経済効果をもたらしました。KupuのCEOはこのモデルは経済の多様化を促し、観光業で働く人々に新たな機会とスキルを提供する手段として、より多くの人に雇用を提供できると述べました。ツーリズムを活性化するには、その土地、コミュニティーのケアも必要となります。ツーリズムが過剰となると、コミュニティー、環境が脅威にさらせれるということを知らなければなりません。
  • ハワイの文化振興: ホノルルカヒリ地区にあるビショップ博物館はハワイの過去と現在に焦点をあてた自然史博物館。パンデミックの間、博物館のチームと仮想メンバーショップが日本語プログラミングを開発し、組織とのパートナーシップの数を倍にしました。パンデミックによって何が重要で、何が価値があるか、どこに戦略的投資をおこなうかを考えることができたと館長は述べています。ツーリストが頻繁に訪れる所でハワイアンの歴史、経験に焦点をあてたプログラムを開催することは、その地を訪れた人にビーチだけでなくハワイにさらに積極的に関わることを伝えています。ハワイを訪れる人にハワイの文化をもっとよく知ってほしいと願っています。
  • 観光の再生的な役割:多くのハワイ住民にとってツーリズムを再考することは観光局の役割を見直すことをも含んでいます。多くのハワイ住民は観光局があまりにも巨大化し、資金を持ち、人々の犠牲の上にツーリズムを押し進めてきたと思っています。9月に観光局のトップに就任したJohn De Friesがハワイのツーリズムが再生できるように導いてほしいと多くの人は望んでいます。「我々は私たちの生存そのものが危機に瀕している時代にいます。我々は考え直さなくてはならない現金以外の通貨があることを理解しています。そのいくつかは自然環境、コミュニティーで、健康であるという感覚。ハワイ文化伝統が保護されるべきという通貨もあります。」2020年1月、観光局は2020-2025戦略計画をまとめました。それは今後ツーリズムを管理していくため、天然資源、ハワイの文化、コミュニティー、ブランドマーケティングの4つの柱で成り立っています。ワイキキで育ったDe Friesはツーリズムが過去30年間でオーバーツーリズムに発展したのをみてきました。彼のアプローチは「育てる」という意味のハワイの先祖代々のマラマの考えを通じ、再生旅行にフォーカスすること。4本の柱が指針となります。「ホテルのオーナー、高齢者、ツーリズムが嫌いな人々など、私が話をした全ての人は将来の人々が今よりもすぐれた天然資源をもつことに賛成です。なので私たちはそれを大切にします。アロハを理解する人なら誰でもわかってくれるでしょう」と述べた。

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