グローバルレポート|ワクチン接種済みのシンガポール、他国が見守る中、再開が容易に

ロイター 2021年9月1日 

  • シンガポールのチャイナタウンでお土産を販売しているNgは国が国境を再開するのを待ちきれない。同国ではCOVID19のワクチンを人口の80%がすでに接種。世界でもワクチン接種率が最も高い国の一つと言える。シンガポールは地域の旅行の中心で住民は570万人。地域では最も早く国境を開放したが、マスク着用は義務付けられ、人々のグループの人数制限はあり、連絡追跡アプリは義務付けられている。来週よりドイツ、ブルネイからの旅行者についてはワクチン接種済みの者に対して検疫は免除。入国者のガードを高くすれば旅行業界の回復は遅れるため、感染率が低い他の国々も動向を注視している。
  • オーストラリアの状況はシンガポールと似ており、シンガポールは良い例とみている。またニュージーランド、台湾も同様にウイルス感染初期は成功していたが、今は閉鎖状態。930万人の人口をかかえるイスラエルは高いワクチン接種率だが、デルタ株による感染急増で室内でのマスク着用、到着時の検疫などを復活させている。一方、英国は感染が急増しているにもかかわらず、検疫規制の緩和、など規制緩和に固執している。
  • 先週は1日の新規感染者数は百人超であり、これは直近のピークと近い数字だが、重症者の数は低い。9月1日時点で酸素を必要としている者が19名、集中治療室に収容されている者が5名。
  • シンガポールでは12歳以上のほとんどがワクチン接種済み。来年早々には子供の接種を見据えている。70歳以上の接種率は84%。人口の20%が保護されていない場合は、ウイルスについては問題があり、感染率が増加するとミネソタ大学の研究者は言う。ワクチン接種はシンガポール再開計画の柱であり、昨年は経済が5.4%減少、このまま閉鎖を継続することはできない。またインド、そしてシンガポール近隣諸国はいまだに感染者が多く、ワクチンも行き渡っていない。COVIDゼロ戦略を推進している中国からの観光客も見込めない。
  • 2019年、シンガポールは1910万人の旅行者を受け入れた。これは全人口の3倍以上にあたる。うち40%は中国、インドネシア、インドの観光客。シンガポールの経済で旅行、ツーリズムが占める割合は約11%。慎重な再開計画の実施によりパンデミック以前の状況まで戻るのは2023年頃と予測される。今年は年間6-7%の成長を見込む。今のところ打撃を受けた旅行業界には希望が見えない。最も旅行者に人気だった地域も売上不振、店舗閉鎖、失業に苦しむ。

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