訪日数6,000万人も視野に 米国人が日本を旅したい5つの理由

【USPジャパンの視点】

要約

① この1年半にわたって世界で続いた事実上の「国境閉鎖」期間に、日本にとってのインバウンド観光の潜在需要は、目に見えない〝膨張〟を続けている。

② 入国後の自主隔離が免除となって国際便が20年初頭のダイヤに戻った瞬間に、少なくとも19年並みの「年間3,200万人ペース」、その先には4,000万人、6,000万人という数字が視野に入ってくる。

③ 筆者は、リピート需要・日本文化へのあこがれ・顔の見える日本人の存在・シニア文化への関心・東京オリパラの成功という5点をから、「米国人が日本に行きたがっている」ことを記している。

解説

★ 世界中が未曽有の危機に瀕していた世界中から、光明が見えたとたんに「海外旅行がしたい」「いつから海外に行けるのか」「どの国なら行けるのか」という声が聴こえてきている。その中で米国は日本の新たな価値に気づき、海外旅行関心層の日本人気は爆上がりしているという。米国がそうであるならば他国でも同様だ。そして、この日本の人気を長続きさせて将来的に大きな恩恵を受けるためにも、各施設が「受け入れ環境」や「商品・サービス」の磨き上げを『今』行わなければ間に合わないということを意識すべきである。

 「女心と秋の空」ならぬ「旅行者マインドと秋の空」、好意に対する適切なリアクションがなければその好意はあっという間に他国に向いてしまうかもしれない。



【記事の概要】

 2020年にインバウンド4,000万人という数字を、当時の安倍晋三政権は目標として掲げていた。実際にその前年の19年には約3,200万人という数字を叩き出していた中では、この4,000万人という規模の実現は時間の問題であると思われていた。そこへコロナ禍という「荒天」が襲うなどということは、誰も想像していなかったのである。

 2年後の現在、1年半を遥かに超える「荒天」を受けて業界は未曾有の危機に直面しているが、仮にコロナ禍が何らかの収束を見るのであれば、日本の観光産業の実力としてはインバウンド4,000万人どころか6,000万人も視野に入れて考えなくてはならない。

 この1年半にわたって世界で続いた事実上の「国境閉鎖」期間に、日本にとってのインバウンド観光の潜在需要は、目に見えない〝膨張〟を続けているからだ。

 入国後の自主隔離が免除となって国際便が20年初頭のダイヤに戻った瞬間に、少なくとも19年並みの「年間3,200万人ペース」、場合によってはそれを上まわるペースでの観光客が来日する可能性がある。その先には4,000万人、6,000万人という数字は当然に視野に入ってくる。

2010年代とは違った日本の魅力

 このコロナ禍の1年半に起きたことを振り返りつつ、アメリカ人がいかに「日本に行きたがっているか」について5点ほど考察してみたい。そして、この考察はアメリカ人だけでなく、欧州やアジアの潜在顧客層にも共通していると考えられる。

1.「リピート需要」

 米国内で「京都、奈良だけでなく、もっと閑静な寺院や神社に行きたい」「箱根が良かったので、次は別の温泉に行きたい」「もっと外国人の少ない場所で本当の日本を知りたい」などという声をよく聞く。とにかく既に膨大な人口が日本旅行を経験しており、その好印象を口コミで広めつつ、自身が再訪を夢見ているのは事実だ。

2.「日本文化への憧れの拡大」

 食文化における日本ブームは、寿司ブーム、焼き鳥ブームがいずれも本格化したのを受けて、現在は異常なまでのラーメン人気が進行中だ。そこに集う客は「必ず日本で本場のラーメンを食べてみたい」という願望を抱いていると言っていい。アニメブームも、「鬼滅の刃」が全米での劇場における興行収入で2週連続1位という信じられない人気となるなど、2010年代とはまた違う段階に入っている。

3.「顔の見える日本人の存在」

 具体的には、「MLBの大谷翔平選手」と、「片付け評論家の近藤麻理恵氏」を挙げてみたい。大谷選手の場合は二刀流で全ての野球ファンを圧倒する成功を収めているし、近藤氏の場合はライフルタイルの発信者としてその存在はカリスマ化しているが、両名とも日本式の礼儀正しさや一生懸命さを持ち込んで、それがそのままアメリカ人の「羨望」と「尊敬」の対象となっており、当然彼らの持っている文化や価値観の故郷に対して関心を抱くのは当然であろう。

4.「シニア文化への関心」

「日本式の生きがい論」と呼ばれる高齢者向けの自己啓発本が何冊もブームとなっている。内容は、「自分の分をわきまえる」とか「多くを望まないことで幸福感を得る」といった一種の「引き算思考」だが、それが彼らの目からは「禅の神秘」とか「自然との一体感」などという文化に重なることで日本への憧れを増幅させることにもなっている。

5.「東京オリンピック、パラリンピックの開催成功」の影響だ。

 多くの記者が来日し、行動自粛期間はコンビニに通って、弁当やパンの美味しさに驚嘆して、TVで「B級グルメの食レポ」を流し続けていた。また、米国選手団の公式アパレルの中には、ハローキティをキャラクターに使ったものがあり、グッズ販売のサイトでは大会直後に売り切れとなっている。


コロナ対応でも一定の評価

 肝心のコロナ禍についても、日本は米国と比較すると、感染者数も死者も人口比で10分の1以下であり、しかも急速にワクチン接種率を向上させていることは、既にアメリカでもよく知られている。また、世界が激動の時代だからこそ、治安が良く、人権が保障されている民主国家日本のイメージは相対的に向上している。その意味でも「ポスト・コロナ」の時代には日本は「真っ先に行きたい」目的地になる。

今からすべき「仕込み」は何か

 だが、何の工夫も努力もしないで「インバウンド4,000万人」あるいは「6,000万人」の恩恵に預かれるかというとそれは違う。憧れが強ければ強いほど小さな点で幻滅するということはある。またリピートを重ねて「目が肥えて」来た旅行者を満足させるには、コツコツとした改善や改良が必要だ。ここでは、3点ほど挙げてみたい。

 1点目は、英語の問題だ。主要観光地には、十分に自然で知的な英語によって、歴史や文化の情報提供ができるような人員や仕掛けが必要だし、宿泊施設、交通機関、料飲サービスの現場における英語対応はより質の向上を実現していかねばならない。

 2点目は、食事への配慮である。確かに、訪日外国人の圧倒的多数は、日本の食文化の経験を旅行目的としている。だが、ここでも英語での対応を拡大するだけでなく、宗教や文化を理由とした食のタブー、具体的には、コーシャ、ハラル、ベジタリアンなどへのきめ細かい対応が求められる。

 3点目は、価格の問題だ。外国人観光客は意外に価格に対して厳しいセンスを持っていると考えた方がいい。食事にしても、移動や宿泊にしても、価格の透明性を印象付けたり、「お得感」のきめ細かい演出を行えば多少の円高であれば怖がる必要はない。

 発足の見通しとなった岸田文雄政権は、観光業の再起動へ向けて「Go To 2.0」という構想を掲げている。この中で、ワクチン接種履歴の活用については、その先のインバウンド再開につながる政策という評価が可能だ。




【引用元】

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/24432?page=3




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