グローバルレポート|国境の再開は東南アジアの観光を復活させられるか?

 オックスフォードビジネスグループ 2021年10月14日

18ヶ月間の制限の後、東南アジアの多くの国は旅行業界の回復をねらって国境を再開している。9月下旬、タイは主要観光地を優先にして再開のフェーズ4計画を発表。11月1日以降リスクの低い国10カ国(中国、ドイツ、シンガポール、英国、米国など)からのワクチン接種済み旅行者に対しては検疫を設けない。また同国の様々な地域で10月から1月にかけて観光を目的に地域を開放する。これは同国が7月に「sandbox」旅行スキームを紹介したのが発端となっている。これは旅行前、そして到着後すぐに検査が陰性であれば、プーケットに向かうワクチン接種済みの観光客は検疫が必要ないというもの。

同様のアプローチで、ベトナム政府は9月にフーコック島への旅行者に対し、ワクチン接種済み旅行者で到着時陰性の者に対して島をオープンすると発表。これは今後ベトナムで旅行者を受け入れる動きで、リスクの低い国からの旅行者には12月から主要観光地を解放してゆく。

シンガポールはワクチン済トラベルレーンシステムで検疫をなくしている。同システムの元、選択された国からのワクチン接種済み旅行者は旅行出発の48時間以内にPCR陰性証明を提出することで入国できる。

インドネシア、マレーシアはより慎重:他の国々はもう少し慎重。インドネシア政府はバリ、リアウ諸島などの人気の観光地を10月14日から中国、日本、ニュージーランド、など18カ国からの海外旅行者に解放すると発表した。しかし、他地域はまだ5日間の検疫、さらに検疫保険の購入、到着前の一定期間のホテル滞在が求められる。マレーシアは国内旅行の制限を解除。先月ランカウイ群島がワクチン接種済みの地元の旅行者に開放され、10月18日からはワクチン接種済みの国内、海外旅行者には制限が解除となる。

ツーリズムの再開:国境開放の動きは東南アジア経済の主要な貢献産業である旅行業界を再生するため。タイではパンデミック以前はGDPの11-12%を旅行業が占めていたが、昨年はCOVID19でUSD500億を失い、到着数は82%減となった。ベトナムは旅行業がGDPの12%を占め、海外到着数は昨年1800万人から380万人となり約USD310億の損失となった。それにより多くの会社が倒産となり、ホテル、リゾート都市が厳しい状態となった。

ワクチンが鍵:デルタ株の拡散により感染者が増えたにもかかわらず、ワクチン接種の加速により国境制限の緩和は可能となっている。多くのケースで感染者が減少、検疫なしの旅行が現実的な選択肢となる。しかし、ヨーロッパ、北米でワクチン接種率が上がっているが、東南アジア諸国ではばらつきがある。シンガポールは世界でもワクチン接種が進んでいる国のひとつで人口の約80%は接種済み。マレーシアも進んでおり66%だが、タイは33%、インドネシア21%、ベトナムが16%。タイ政府は7月、「sandbox」 計画展開の前、プーケットの住民の70-80%にワクチン接種を行った。ベトナムでは海外旅行者に対しフーコックを再開するため、地域住民のワクチン接種を完全に終了すると発表。

インドネシアではバリの人口の98%が少なくとも1回の接種が終わり、80%以上が接種を完了。リアウ諸島ではそれぞれ83%、58%となっている。

0コメント

  • 1000 / 1000