香港ツーリスト動向【USP グローバルレポート】

香港ツーリスト動向【USP グローバルレポート】

香港はもはや高級ショッピングを目的とした“行く場所”ではなくなった

Hong Kong no longer a “go-to place” for luxury shopping

https://asia.nikkei.com/…/Hong-Kong-no-longer-a-go-to-place…

Nikkei Asian Review 2019年12月31月

31歳の北京に住むAngelise Wuは毎年恒例の香港のショッピングを今年はキャンセルしました。反政府デモの最中で安全性を心配する事に加え、現地の「反抗的な態度」も不快に感じたからです。「もし反政府デモが終わっても香港ではラグジュアリー商品は買わないです。その経済に貢献したいと感じないのです」と言います。その変わり、Wuは毎年家族のために何千ドルにものぼる高級品を購入しますが、今年はハンドバックなどをタイ、韓国、日本などで手にいれました。

「多くは中国語を話す販売員がいて、彼らは中国人のツーリストにとてもフレンドリーです。」とWuは言います。また中国本土の店舗でも購入したとも。香港との価格差はいまやあまり大きくないからです。

Wuのような消費者の変化は年商の10%とも言われる香港の世界の高級ブランドに警鐘をならしています。すでに7ヶ月にも及ぶ反政府運動により中国人のラグジュアリーショッパーの買物の行き先であった香港は大きく変化を迫られています。ブランドの多くは中国本土のツーリストが他で買物をするようになっているため、香港の戦略的位置づけを再評価しています。

モルガンスタンレーの予測によると香港の高級小売ショッピングの約半分は中国本土の顧客によるものです。しかし政情不安により中国本土からの旅行者は46%減となりました。高級品の売上は10月末の3ヶ月間で2013年のピーク時と比較し40%以上も落ち込んでいます。

プラダは6月の中間報告で香港の政情不安が中国全体の売上を赤字とし、来年更新予定のコーズウエーベーの旗艦店のリースを更新しないと発表しています。この単店舗で同社は香港ドル9百万(USD1.2百万)を毎月支払っています。家主は新しいテナントを現在44%の家賃減で探しています。

バーバリーは9月までの6ヶ月間で香港の売上が“2桁減”となっていると発表しましたが、店舗閉鎖、解雇の計画は発表していません。しかし、マルコ・ゴベッティCEOは香港について“とても、とても注意しなくては”と語っています。業界全体にこのような悲観的な状況が広がっています。

ルイヴィトンのオーナーは7月から9月にかけての香港の四半期売上は25%減となったと報告しています。グッチのオーナーであるケリンググループは売上が35%減少しました。香港の売上がかつて米国、日本、中国につぐ4番目であったティファニーは8月から10月にかけての売上が半分に落ち込みました。また抗議活動により6日間の予定外の店舗閉鎖もしなくてはなりませんでした。

実際、香港の高級品売上はかつて厳しい時がありました。習近平国家主席が2013年に反腐敗キャンペーンを推進し、多くの政府関係者が高級品ギフトの受け取りを拒否したため翌年は売上が14%落ち込みました。売上は中国本土の旅行者が自分たちのために買物をすることを望み回復しました。しかし、今回は違うようです。アナリストはブランドが行動をおこすべきとしています。

いくつかのブランドは既に中国本土に注力しています。

香港の最大の宝飾ブランド Chow Tai Fook Jewellery Group, 10月から11月中旬までの香港、マカオの売上が前年比48%減少した後、来年15店舗を閉鎖すると発表しました。その代わり、 9月までに本土に300店舗をオープンしました。香港の売上シェアーは2013年の47%から32%に減りました。

これは香港と中国本土、他アジアマーケットの間の高級品価格差が小さくなったためです。北京では高級品に係る関税が国内消費をあげる事を目的に数回に渡り引き下げられています。

10の高級ブランドの人気商品、23アイテムの中国での価格は香港と比較し5%高く、一方他のアジアマーケットの価格は10%高い結果が出ています。その結果、始めて海外旅行をする中国人の6%のみが香港を選択しています。2013年は16%が選択していました。

ビザ緩和のおかげで中国人が旅行先として選ぶ人気の国としてタイ、韓国があげられます。香港の高級モールの家主は調整を迫られています。現在個別に小売テナントに対して一時的な家賃緩和を提供しています。

高額家賃のセントラル地区のモール運営会社のスポークスパーソンは「マーケットの変化に合わせてその時々にテナントミックスを調整することが長期の戦略でした。そのポートフォリオを変更することは適切ではありません。」と言います。香港小売経営協会のAnnie Yau Tseは多くの家主が実施している家賃削減は十分でないとし、「数ヶ月にわたる社会不安の後、高級ブランドは非常に慎重になっています。」政治的不確実性によってテストされている香港市場へのコミットメントは高い賃料によってさらに緊張の度合いを高めます。

野村のエミリーリーはブランドが現在の店舗を維持するには50%以上の家賃削減が必要と言います。

一方、香港のショップで働いている何千もの従業員の生活は変わりました。広東ロード、チムシャッツイでは商品50%オフでも行列は消え去っています。ヴァレンチノの35歳の販売員は中国本土のツーリストの減少で過去数か月間売上は40%ほど減ったと証言。台湾、日本からの顧客の増加はそのマイナスを補うほど十分ではありません。「個人的には今の状況は悪くないと思っています。」仕事量と顧客の数は非常に良い状況になり、給与は安定しています。2013年当時、トイレや昼食を取る時間がないほどの毎日を思い起こせば 「皆快適に感じていると思います」と言いました。

日本語概要訳:UPSジャパン

https://asia.nikkei.com/…/Hong-Kong-no-longer-a-go-to-place…

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