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ソウルを視察し、改めて気づき学んだ事!

   

韓国の観光事情や買物動向、商業施設の現況を知る為に、昨年末にソウルに行きました。ソウルで観光客に人気の街、若い人に話題の街、最新の大型複合商業施設を視察し、地元の方との会話の中で気づいた事をまとめてみました。今多くの外国人がソウルに戻っている中、昨年と少し状況が違うかもしれませんが参考になればと思います。

地元の旅行関係者に外国人観光客の状況を聞くと、日本人旅行者はピーク時の30%程度で、それ以外の国の観光客は70%程度戻っているとの事でした。外国人観光客が多い明洞や北村・仁寺洞(インサドン)では以前は少なかったベトナム、タイ、インドネシア等の東南アジアや欧米の人々を良く見かけ、日本人の戻りの遅れを実感しました。又主要な観光客の中国人は出国制限も有り、ほとんど見ませんでした。ユニクロが出店していた繁華街明洞もピーク時と比較し少なく、店舗の空き区画もあり、コロナ前の状況に戻っていないのは日本と同じでした。

     

■ソウルに滞在し、実感したポイントは以下の様な事です。

 
▲外国人観光客にも人気の観光スポット「仁寺洞」、日本人は少ないが、幅広い国の方が訪問している。
   

1、以前と比べ、外国人観光客は幅広い国々の人が訪れている・・・K-pop、NETFLEXの影響か?

2、話題の商業施設、人気の街は若者で一杯・・・憩える自然な大空間、他にないショップや体験、イベント性、楽しく回遊できるがキーワード!

3、韓国の衣・食等モノの値段は上昇・・・日本は「モノ」の付加価値化を考える必要性。

4、IT・デザインにおいて、韓国は日本に比べ数段優位・・・海外の知見の取り入れ、決断の速さか?

1に関して、若い人を中心に幅広い国の外国人が増えていのは、BTSに代表されるK- popやイカゲームなどのNETFLEXの映画により、韓国という国に興味を持つ人が大幅に増えている様に思います。漫画やアニメという素晴らしい文化を、従来以上に官民連携し幅広く活用して世界的カルチャ-にすれば、新たな日本ファンの獲得、今訪問していない国の人々の来日につながり、観光もショッピングも盛り上がると思われます。

     

■最新の大型商業施設、街は若者が席巻、やり方によりハコモノ施設より街の方が魅力的で集客力高まる!

 
▲靴工場があった一帯をリノベーションし、ファッション・飲食店など様々な専門店が進出する話題のエリアー聖水(ソンス)、中でも人気の大空間とアートが満載のカフェ「大林倉庫」 若い人ばかりです!
   

2に関して、最新の大型商業施設、人気の街は若い人ばかり。現代百貨店の最新店舗「THE HYUNDAI SEOUL」上層階の3,600M2の大空間は木々が植わる自然環境で、人々が憩い、飲食、ショッピング、イベントに参加し楽しんでいます。人気なのは、自然を大胆に取り入れた大空間、イベント性、ECにはない魅力的なショップ集積です。但しそれ以外の物販ゾーンは人が少なく厳しい状況です。

又人気の街ソンス洞は飲食、物販だけでなく色々な店が集積、刺激的でとても活気が有り、街の新たな魅力発見や回遊する事ができ楽しくなります。クリスチャンディオールや日本のパイロットが期間限定店を出店するのは、この街をとても魅力的で興味深いと考えている為だと思います。但しこの街でも全てのお店に人が来ている訳でなく、目新しさや、従来にない体験が出来なければ人がいない状況です。

これからの商業施設は自然が有り、ぶらぶら街歩きでき、新たな発見、楽しみ、体験が無いと集客は厳しいと思われます。その面で衰退する商店街は、街歩きの楽しさという視点で見直しすれば復活のチャンスが大きいと思います。

3に関して、数年前に韓国で買物した時、日本に比べ値段が安いという印象でしたが、今は円安を考慮しても安く感じず、韓国製品の質やデザインが向上し、価格も上昇しています。日本は「円安をチャンス」との発想ではなく、付加価値を付け、高く売る工夫が必要で、質は普通で安い日本製品では生き残れない気がします。

     

■韓国のデザイン、IT技術の先進性はどん欲な他国の情報収集と決断の速さ!

 
▲韓国で有名なセレクトショップの壁面インテリア、グラフィック、ペイント処理ではなく、オシャレな映像が壁面一杯に次々と流れます。
   

4に関して、インテリアデザインやモノのデザインは日本の比ではない位韓国は素晴らしく、商業施設、街には学ぶ点が転がっており、今や韓国が日本から学ぶことは皆無に等しい気がします。韓国はヨーロッパやアメリカ、或いは良いものがあれば世界中に出て、徹底的に研究、良いところを素早く取り入れ、そしてデジタルサイネージやAIなど最新の技術を活用しています。

以上の様に日本の隣国韓国の今の商業施設や街を見て、自分の目で日本の課題を実感し対応策を考える。学ぶだけでなく、良いところは素早く動き、取り入れて欲しいと思います。日本から2時間30分程度で行ける韓国に注目です!

 

USPジャパン 中村 哲也

 

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