価値創造事業

「みんなの見本」たるホストマインド

   

「巨人・大鵬・卵焼き」の流行語にまでなった第48代横綱・大鵬幸喜は、日本に夢と希望を与え続けた昭和の大横綱でした。彼は第一人者である自覚からこんなことを話していたのです。

「横綱より上はいないのだから、世の中みんなの見本なんです」

     

1,800円の価値

 
函館訪問の外国人ゲスト、お目当ては「函館山からの夜景」
   

函館観光の一番人気はなんといっても函館山からの夜景です。そして「夜景と朝市」があるので海外からのゲストは必ず宿泊する、これが函館観光の強みなんだと思います。

函館山からの夜景を見る唯一の移動手段は「函館山ロープウェイ」利用になるのですが、その往復運賃は1,800円ですのでこれが夜景観賞代と言い換えることもできます。

夜景なので自然が相手、きれいに見えるときもそうでないときもあるので「見える夜景の価値=1,800円」とはならないかもしれません。

しかし、これから見る夜景のクオリティが事前にある程度わかったらどうでしょう?ほとんどの方は「見える夜景の価値>1,800円」、少なくとも「見える夜景の価値=1,800円」になるでしょう。

函館山ロープウェイのチケット売場の脇にある2台のライブ映像モニターがそれを可能にしています。

     

「がっかりさせない」をつき詰める

 
ロープウェイの券売機には必ずスタッフが常駐しサポート
   

ライブ映像のモニターを確認してもらい1,800円の価値を感じないと判断した方には無理に乗車をおすすめしない、工夫はこれだけではありません。

チケット売り場には必ずスタッフがいて「購入方法」「所要時間」「乗車方法」だけでなく、「天候と見え方」「鑑賞最適時刻前後の混雑」などの詳細のやり取りを複数言語で丁寧に行っています。強風で中止になりそうなタイミングで訪問した私にも心から残念そうに、また申し訳なさそうにその情報を伝えてくれました。

その他、「乗車までの待ち時間を飽きさせない展示の工夫」、「強風で中止になった際のフォトスポットの設置」、「同イルミネーションエリアの設置」などなど、何重にも「ゲストをがっかりさせない工夫」が施されています。

     

いま目の前にいる方は二度と会わない方かもしれない

 
手厚いサポートで「誰もが納得してチケットを求める」
   

「遠い遠い海外の方」が「数多くの日本の観光地」の中から「函館」を選んでやってきてくれた、そのひとり一人に誠実に向き合うというのはどういうことなのか?これっきりかもしれない目の前にいる外国人観光客に対して何をしたら良いのだろうか?

そんなことをつき詰めて考え、一つひとつの設備・施策に反映させていった「函館山ロープウェイ」の真のホストマインドは賞賛に値します。

 

     

「函館山ロープウェイ」のみなさんは、観光客ひとり一人との一期一会を大事にする心を持っているのだと思います。

そして、「函館に行ったら必ず函館山からの夜景を見なきゃ!」という期待を一身に背負った、いわば函館観光の横綱であることの自覚を持ち、函館中の見本になっているのだと強く感じました。

 

関連ブログ記事

TOP