価値創造事業

人・夢・祭、そして感動!『杜の賑い』40周年回顧録

   

令和5年1月21日(土)那覇文化芸術劇場なはーと(那覇市)にて第136回「杜の賑い・沖縄2023」が開催されました。沖縄では38回目の本公演、コロナ禍3年振りの「杜の賑い・沖縄」は沖縄本土復帰50周年記念、JTB創立110周年記念、全国「杜の賑い」開催40周年記念という、大変エポックメイキングな公演となりました。全国からのお客様3,000名が「杜の賑い・沖縄」を楽しみ、感動して、沖縄の思い出として持ち帰りました。

     

「杜の賑い」とは

 
   

「杜の賑い」とは「地域に埋もれた、あるいは忘れ去られようとしている郷土の祭りや芸能を見つけ出し、掘り起こし、時と場所を選ばず一堂に集めて展開し、旅の中でお楽しみいただく」をコンセプトに、地元自治体、観光関係機関との連携などから発展的に規模が拡大し、近年では、地域における伝統文化の保護育成、若者達の創作芸能への芸術支援や、地域活性化事業としての色彩を濃くしながら、全国各地で開催されているステージイベントです。

自分と「杜の賑い」の関わりは前職での入社2年目に「杜の賑い」担当への異動発令から始まり、1982年9月の岩手県盛岡での「杜の賑い」第2回目からになります。そこから全国での「杜の賑い」を制作プロデュースしてきました。「杜の賑い」のお蔭で47都道府県全てを踏破出来たのも過言ではありません。1997年11月の東京国際フォーラムのこけら落とし第73回「杜の賑い」、2004年2月の台湾での第94回「杜の賑い」、2005年7月石川県での第100回「杜の賑い」、東日本大震災からの復興を祈願した2012年10月の福島での第120回「杜の賑い」など特に忘れられない「杜の賑い」です。

     

演出家・鷹の羽辰昭氏との出会い

 
   

1983年3月山口での第4回「杜の賑い」から演出家・鷹の羽辰昭氏との二人三脚の「杜の賑い」制作が始まりました。郷土芸能というと三日三晩踊り続ける芸能や何回も同じ所作を繰り返す芸能など、旅の中で鑑賞するには直ぐに飽きて,馴染まないモノでありますが、鷹の羽氏は殆どの芸能の一番良い場面を3分~4分に纏め、まるでラスベガスのレビューショーの様に次から次へと目まぐるしく構成し、そこにムービングライト、レーザー、特効が絡む演出で「杜の賑い」を唯一無二の舞台エンターテインメントとして昇華させてきました。

演出家・鷹の羽氏の「杜の賑い」に関する思いは次の3つに集約されます。

1 杜の賑い(地域の伝統芸能)の魅力とは?

日本各地に伝承される伝統芸能や祭、埋もれた観光素材(文化・民族・芸能)を、掘り起こし、地域の関連諸機関、地域住民、行政と連携し一体となってイベントを進めます。
地域の伝統芸能をそのまま鑑賞するのではなく、その伝統芸能がもつベーシックな魅力を、色々な角度から掘り起こして引き出し、完成度を高めた舞台芸術としてエンターテインメント化したものが「杜の賑い」です。

2 演出の見どころ・会場での楽しみ方

開催地域のイメージを最大限に引き出す明確なテーマを設定し、従来の伝統芸能を現代最先端の照明・音響・特殊効果を駆使してスピード・華やかさ・スケール感などを加えて全く新しい芸能へと進化させています。
来場者と出演者が一体となり、伝統芸能の「素晴らしさ・大切さ」を再確認し、感動を味わえる舞台となっています。

3 来場者の皆様へメッセージ

出演者は全員プロではなく素人集団ですが、約半年に渡る長いリハーサルを重ねて出演するため、ステージでは全員がプロに見えるほど充実した演技を展開します。
終演後、全出演者が、会場玄関ロビーでお見送りします。その時、出演者に「よかったよ」と一言声をかけたり、記念写真など取ったりして楽しい旅の思い出をお作りください

     

杜の賑い・沖縄を10年振りにプロデュースして

 
左)筆者 中央)鷹の羽氏 右)沖縄サポーター平敷氏
   

「杜の賑い・沖縄」をプロデュースする話は9月頃東京と沖縄を行き来する鷹の羽氏の米軍住宅でのランチミーティングがスタートでした。鷹の羽氏は御年82歳、制作全般を請負うのはしんどいので演出1本に絞りたい、JTB沖縄さんとの窓口、予算調整、出演者交渉管理、東京制作スタッフ、沖縄制作スタッフの制作手配・予算管理をやって欲しいと頼まれました。そこからJTB沖縄さんとの調整等を経て第136回「杜の賑い・沖縄」を制作プロデュースすることになりました。鷹の羽さんは相変わらず精力的にリハーサルを積み重ねました。コロナ禍で会場使用の条件も厳しく、また予算も厳しい中、出演者、スタッフも協力して頂き、素晴らしい、感動的なステージが生み出されたと思います。最後に9月にUSPジャパンに入社した片岡カツキ君は出演者管理、バックヤードをしっかり担って貰い、3か月間で立派なディレクターに成長しました。

USPジャパン 横澤武留

杜の賑い JTB公式

 

 

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