USPジャパンで働くメンバー紹介企画! 2024年12月より半年間、東京都の人材交流支援事業(※)を通じ、旭化成建材株式会社から出向中の一坊寺英夫さんをご紹介します。
いつもとは別の視点で「サスティナブル」を考えたかった

― 自己紹介とこれまでの経歴をお教えください。
一坊寺英夫(いちぼうじひでお)です。
現在、旭化成建材株式会社という建材メーカーに在籍しております。入社してから25年目になります。勤務地はずっと東京で自宅は千葉の流山です。故郷は福岡で、大学時代は北海道で過ごしました。専攻は建築材料でコンクリート関係の研究をしていました。USPで働くようになってはじめて和歌山に行きました。橋杭岩や海岸の岩を見てその荒々しい景色に感動しました。
旭化成建材では、入社してからずっと住宅用断熱材(フェノールフォーム)を取り扱う部署で働いています。基本的には建築技術者ですが、営業や、研究開発業務も行ってきました。
―なぜUSPで働くことに?
東京都に人材交流支援事業という、中小ベンチャー企業に大企業から人材を派遣するマッチングプログラムがあります。私の会社では、50歳を超えた社員向けの越境体験プログラムの一つとして、本事業が研修の一つとなっており、参加者を社内公募していました。私は自分のキャリアの見直しや、越境活動を行うことで、自分にとっての新たな気づきを得ることができると考え応募しました。
USPを選んだ理由は、「人や地球に近いところで、サスティナブルに関する事業を行っている」点です。私も現業においてサスティナブルの観点で事業を考えることが増えてきましたが、製造業の現場では、運用エネルギーの省エネ化、原料のバイオ化、使用するエネルギーの炭素排出量の削減、自然エネルギーの活用など、どうしても製造・製品に関係することになってしまいます。
それに取り組むことは非常に大事なことですが、それだけでいいのだろうか、本当に地球環境のためになっているのだろうかと不安を感じていました。もう少し人々の日常生活に近いところ、本当に地球のためになることが感じられるサスティナブルな事業に自ら携わり、改めてサスティナブルの活動に取り組みたいという思いから、面接を受けさせていただき、採用していただきました。
「守ってきたもの」と「新しい試み」のバランス

―USPではどんな仕事をされてきましたか?
まずは、カイロスロケットの打ち上げイベントのお手伝いをさせていただきました。残念ながら打ち上げの場面には立ち会えなかったのですが、イベント運営を通じてUSPのスタッフの仲間入りをすることができ、和歌山の自然の豊かさ、地域の方々の温かさ、ミカンのおいしさ、地元のロケットへの期待等を感じることができました。
現在は、和歌山県の吉野熊野国立公園の受託業務を担当しています。これまでの業務内容としては、素晴らしい吉野熊野国立公園をより広域活用するために、国立公園の自然、施設、人財、知財を活用し、同じエリアにある南紀熊野ジオパークや観光ガイドの方、自治体の観光担当者の方々と連携していくためにどうするべきか、意見交換会を実施し、活動アイデアをまとめました。
国立公園のことを一から学び、全く知らない世界の仕事をすることで、新入社員当時の緊張感に近い感覚を思い出しました。また、国立公園は活用することも大事ですが、維持、保全との両立も非常に大切であることがわかりました。地域の方々がこれまで守ってきたものを大切にしながら、新しい試みを行うことの難しさを感じております。
そのバランスを取りながら、地域の新しい価値を見出し、連携を支援していくのがUSPの大きな仕事であると考えております。業務を通じ、素晴らしい体験、新たな気づきを得させていただいております。社内公募にチャレンジしてみてよかったです。
サスティナブルな社会に向けて

― 最後にメッセージをお願いします。
USPで仕事をするのは残り少なくなってきました。幅広いジャンルの経験をお持ちの方々が集まった、USPのメンバーの皆様の知見をいただきながら、まずは受託業務で生まれた、アイデアをしっかりと実現させること、また私の専門領域である建築温熱環境分野において、USPと旭化成の連携ができるような事業を提案し、サスティナブルな社会の実現に貢献したいと考えます。
(※)東京都産業労働局「大企業と連携した中小企業・スタートアップの成長促進に向けた人材交流支援事業」(くわしくはこちら)
本事業は、人材を育成したい大企業から事業成長を加速させたい中小企業・スタートアップへ1年間在籍出向/副業による人材交流を行い、東京都内の大企業と中小企業・スタートアップの双方の成長を促進する事業です。