USPジャパンで働くメンバー紹介企画、第14弾は横澤武留(よこさわ たける)さんです。横澤さんは2015年にUSPジャパンにジョインして以降、観光プロモーションやイベントプロデュースなど、数々の催しを手掛けてきました。インタビュー当時で、御年68歳。「生涯現役」を信条に、パワフルに仕事を楽しむ横澤さんの内面に迫ります。
仕事の質は、人生の質に直結する

―「生涯現役」に込められた想いを聞かせてください
自分の年齢で働いているのは普通のことだと思っています。「働かざる者、食うべからず」ですが、生活のためだけに働いているわけではなく、仕事が趣味のようなもので、基本的には楽しく、面白く仕事をしています。今が一番働いているかも知れませんね。
仕事というのは、やらされるものでも与えられるものでもなく、自分で創り出していくものだと思っています。何に対しても工夫を凝らし自分流に変えることで、仕事が楽しく面白くなります。楽しくなると気持ちも明るくなりますよね。だから「明るく・楽しく・面白く」が、僕が働くうえでのテーマなんです。また、仕事とプライベートを分けて考えることはなく、「人生の大半を費やしている仕事を楽しくしなくてどうするんだ」と思っています。
―仕事を楽しむことを難しく感じる人も多いと思います
「楽しい」とか「辛い」など、その全てをポジティブに受け止めることですね。嬉しいこともあれば、失敗もあるし、責任を負わなきゃいけないこともある。でも、それらを乗り越え、その経験を俯瞰することで、自分のオリジナリティが生まれます。
また、先を読むことも大事です。人から仕事を任されたときに、先を見据えて準備しておくのと、言われてから動くのとでは全然違うじゃないですか。そこで大切なのは、主体的に取り組むことを前提として、「自分に正直に」行動することだと思うんですよ。自分なりのオリジナリティが出せてくると、仕事が楽しくなっていきます。
―USPジャパンではどのようなことに取組んできましたか?
USPジャパンでは、食体験を通じて旅の醍醐味を味わう「ガストロノミーツーリズム」プロジェクト、訪日インバウンドゲストの「ナイトタイム消費拡大」プロジェクト、東京青梅市・奥多摩町の交流人口増加や持続可能な地域づくりを目指した「うめたま」プロモーション活動、そして沖縄に古くから伝わる伝統芸能を旅の中で楽しむ「杜の賑い」のプロデュースなど、様々な取り組みを行ってきました。
地域を元気にする

―それぞれの取り組みで、共通することはありますか?
自分自身の経験や、新聞や本などで得たヒントをもとに、いつも新しいことに先駆けて取り組んできましたが、仕掛けるタイミングが早すぎたことは反省点ですね。僕らがやったときは事業としてはあまり効果がなかったんだけど、後になって「これ、前にやってたやつじゃん」みたいなのはありますよね。早いことは良いことですけど、形として残すことの重要性も感じます。
また、地域の自然や文化を活かし、経済を循環させることも共通しています。地域の資源に注目し、磨き上げ、クローズアップすることで、観光を通じて人の流れを促進する。地域を活性化し、地域経済の好循環を生み出すためには、観光消費額の増加が大切だと考えています。
―地域経済の活性化はUSPジャパンの事業の中核ですよね
USPジャパンの事業内容である「サステナビリティ」「地域振興」「価値創造」は、どれも普遍的なテーマだと思います。僕は特に地域振興が日本にとって重要だと考えていて、これが進まなければ、日本は持続していかないかもしれません。これまでグローバル化が進み、サプライチェーンが海外に移ってきました。ですが、少子高齢化が進む中で、日本国内にもっと工場を建て、雇用を増やすべきだと思います。車も家電も、もっと日本で作り、宇宙産業にも力を入れようよ、と。
東京一極集中が問題視されていますが、地域で生まれ育った人が、子どもを育てながら安心して働き続けられる環境を整えていくべきなんです。現在、日本全体で非正規社員が約4割、特に女性では6割弱を占めており、この状況では将来が不安ですよね。また、日本の食料自給率はカロリーベースで4割弱と、世界平均よりもかなり低いです。為替の動向にもよりますが、日本ではハンバーガーが100円で買えるほど低価格であり、日本製品の品質や信頼性が高ければ、輸出が増える可能性もあると思います。それに加えて、日本には豊かな自然と独自の文化があり、これらを目当てに観光客が訪れることで、経済が循環していくのではないでしょうか。
―USPジャパンのビジョンに対して、横澤さんの捉え方を教えてください
USPジャパンのビジョンは「ユニーク&インクルージョン 自由と創造の力で、暮らしと社会をしあわせに」ですから、皆の暮らしと社会をしあわせにする意図が込められています。しかし、自由といっても、単に楽しい仕事ができて良いね、ということではないと思います。個人がやりたいことを追求するのは良いことですが、会社としては収益性も意識しなきゃだめで、きれいなビジョンが先行しすぎることは良くないと感じます。
USPジャパンはビジョンに基づいて経営を行っていますが、そのビジョンは広範囲で、様々な解釈が可能です。だからこそ、社員一人ひとりがビジネス感覚を持ち、ビジョンに沿った範囲の活動で、営業から企画、取引まで一通りの役割を担う必要があると思います。お互いの強みや得意分野を掛け合わせていくことで、それが実現します。
自分に嘘をつかずに、正直であること

―USPジャパンはユニークな人材が多いがゆえに、強みや得意分野の掛け合わせは課題の一つという声があります
そうは思いません。やればいいだけですから。課題だと思うこと自体が課題だと感じます。やるべきことは自分で描き、楽な仕事などないと考えるべきです。むしろ、朝早くから夜遅くまで働かなければならないこともあれば、時には軋轢が生じることもあります。しかし、最も信頼できるのは「自分に正直であること」です。自分に嘘をつくくらいならやめたほうがいい。僕は「嫌なことは嫌だ」と常に宣言しています。時には妥協も必要ですが、基本的には「自分に嘘をつかない」というスタンスが大事だと思っています。そうした姿勢に立ち返るには若い頃の経験が重要で、20代・30代は楽をしてはいけないと思います。
―若い頃から「自分に正直に」を貫いていたのですか?
「自分に正直に」は常に意識していましたが、最初は言われたことを完璧にこなすことが最優先でした。慣れてくると、期待を上回る成果を出せるようになるわけですよ。20代・30代は血眼になって取り組み、難しいことや面倒なことにチャレンジすることが身についたと思います。
―今後取り組んでいきたいことを教えてください
特にありません。その時々で面白そうなことがあればやりたいと思いますが、仕事が趣味のようなものなので、自分が役に立ち、キレがあるうちは死ぬまで働き続けてもいいと考えています。もし何も貢献できなくなったら、自分に正直になって「辞め時」と判断します。
僕は仕事で47都道府県全てに行く事が出来ました。また、海外もいろんな所へ仕事で行きました。ベルサイユ宮殿をある企業の100名の為に貸切、15世紀の宮殿パーティを再現したインセンティブイベントなどは忘れられません。僕は、「仕事の質は、人生の質に直結する」という言葉が好きです。経済は人の活動を円滑に回す仕組みなので、過去の価値観を転換しつつ、仕事も人生も充実させていきたいですね。
【インタビューあとがき】
インタビューでは、事前に準備していた質問の枠を超え、論理的でありながら情熱が全面に溢れ出た“横澤節”が炸裂していました。「仕事の質は人生の質に直結する」という言葉を体現するように、仕事に対してひたむきな横澤さん。ご本人の言葉どおり、自分に正直に生きる姿が伝わり、裏表なくまっすぐな人柄を感じさせます。人生100年時代において、横澤さんのように“生涯現役”を胸に仕事に取り組む人がどれほどいるでしょうか。仕事を充実させるためのエッセンスが詰まったインタビューとなりました!(取材:2024/4)
・「16タイプ性格診断」※の結果は「主人公:主人公は楽観主義者として周囲をインスパイアし、自分が正しいと思うことをすぐさま実行します。」
※16タイプ性格診断(16Personalities)はNERIS Type Explorer® 社提供の性格診断テストです。客観的な指標として参考に記載させて頂いております。(https://www.16personalities.com/ja)
取材・記事執筆:ネイチャーウェルネスデザイナー 小松原 守(2024/11)