価値創造事業

「困りごと解決フィールドワーク in 横浜」ひとりで挑んだ、おせっかいな優しさ

   

こんにちは。2025年2月にジョインした松井・D・友作です。以前は発電設備の工事の施工管理や工事の計画業務をしていました。

入社研修として、3月末に「困りごと解決フィールドワーク」を神奈川県横浜市で実施してきました。舞台は、横浜駅とみなとみらいエリア。今回はひとりでの挑戦です。

「困りごと解決フィールドワーク」とは、街中で困っていそうな訪日外国人(訪日ゲスト)に声をかけ、何に困っているのかを聞き出し、自分の力で解決するという、いわば“おせっかい”な活動です。

ひとりでの挑戦、スマートウォッチもストレス反応
今回のフィールドワークは、誰にも頼れない完全ソロ。ひとりで声をかけ、ひとりで問題を聞き出し、ひとりで解決する。内心はドキドキ、ハラハラ、でもどこかワクワクもしている。そんな高ぶった気持ちに、スマートウォッチも反応。「ストレス高」のアラートが何度も鳴るという事態に。普段は一日に一度鳴るかどうかのアラートが、短時間で何度も。数値的にも「初めての挑戦」に身体がしっかり反応していたようです。

初めての声かけは、USAからのファミリー
最初に出会ったのは、アメリカから親戚を訪ねて来日していたファミリー。横浜駅の改札出口周辺を俯瞰できる位置に立ち、あやしい目つきで“困っている人”を探す私。スマホ片手にキョロキョロしている人、立ち止まって右往左往している人が目の前に——「あ、これは困っているかも?」と狩人のように目を光らせ、ついに“獲物”を発見。

思い切って「こんにちは」と声をかけ、「何か困っていませんか?」と、翻訳アプリを使いながら話しかけました。どうやらトイレを探していたようです。

「任せて!」と意気込んだものの、私も場所を知らない。改札の外にはトイレの案内が見当たらないのです。駅ビルや百貨店ならあるはず、と勘を頼りに案内。すると、予想どおり案内標識を発見! 無事に目的地までエスコートできました。

     

横浜駅では“乗り換え”が最大の困りごと

 
   

その後も訪日ゲストを探して声をかけ続けましたが、横浜駅は想像以上に訪日ゲストが少ない印象。東京・銀座なら数秒で見つかるところ、横浜駅では30分で数組程度。しかも、皆スマホとGoogleマップを活用して、スムーズに目的地へ向かっていました。

ただし、Googleマップでは分かりづらい「トイレの場所」や「乗り換え」は別。特に乗り換えで迷っているケースが多く見られました。横浜駅には、JR、東急、京急、みなとみらい線、地下鉄ブルーライン、相鉄線と、6つの路線が乗り入れています。改札も複雑で、どこから入ればいいか迷ってしまうのは当然です。

たとえば「成田エクスプレスに乗りたい」という訪日ゲストもいましたが、JRの中に成田エクスプレスが含まれていることを知らない方がほとんど。アルファベット二文字の路線番号は案内標識にあるが、成田エクスプレスがあることは読み取れません。さらに駅構内の案内板には「成田エクスプレスはこちら」といった明確な表示もなく、改札内の発車案内でようやく分かるという状況でした。

     

私はどの電車に乗ればいいの?

 
   

また、京急に乗りたいというゲストも。Googleマップでは京急を「KK」と表記されていますが、駅の案内には「Keikyu Line」としか書かれておらず、「KK」の路線記号は見当たりません。Googleマップと連動した情報表示があれば、もっとスムーズに乗り換えられるのに——そんな気づきがありました。

     

2日目・みなとみらいは“無人地帯”?

 
   

2日目は、みなとみらいエリアで朝9時からフィールドワークをスタート。改札出口で訪日ゲストを待ちましたが、まったくと言っていいほど出てこない。観光地にしては人が少なく、困っている様子も皆無。

それでも、満開の桜を目当てに来る人がいるかも? と桜スポットに移動。すると、数十分に一組程度ながら訪日ゲストを発見。しかし、やはり困っている様子はなく、皆ただのんびりと桜の花を楽しんでいました。

でも、小さな“おせっかい”をしてみようと「Would you like me to take a photo?」と声をかけると、皆笑顔で「オー!アリガトウ!」(実際は英語)。欧米系の老夫婦のツーショットや東南アジア系のファミリーの写真を撮るうちに、日本人観光客からも「写真お願いできますか?」と頼まれ、ちょっとした“撮影係”に。ほっこりする時間でした。

     

フィールドワークでしか得られない気づき
今回の活動を通して、「実際に現場で観察し、人と話すことでしか見えてこない困りごと」が確かにあると実感しました。

ネットで調べたり、AIに「訪日ゲストの困りごとは?」と尋ねたりしても、出てくるのは一般論。しかし、目の前の人と会話し、自分の足で動いて解決することで、よりリアルで、より気持ちのこもった「本当の困りごと」が見えてくるのです。

私自身、元々は工事現場の施工管理に携わっており、「三現主義(現場・現物・現実)」という言葉を大切にしてきました。“完了した”という言葉のみを鵜吞みにせず。最後に自身の目で確認することで、何度も不適合の発生を防止してきました。

今回のフィールドワークもまさにそれ。人と対面し、現地で問題を体感するからこそ、解決策もより深く、より本質的なものになるのだと強く感じました。

実際に自身の足で現場を見ることが問題解決の第一歩なのだと私は思います。

 

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