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ありがとう宇宙兄弟。挑戦は続く。We are “Space brothers”

   

2007年の連載開始から18年6か月の年月を経て、『宇宙兄弟』がついに全432話、最終話を迎えました。
紙の質感とインクの匂いを感じながら第1話を読み、毎週発売される週刊コミックのページをめくりました。時代は進み移り変わり、デジタルデバイスの画面越しに、0時の更新を待ちわびるようになりました。世界や生活が大きく移り変わり、私たち自身も様々な人生の変化を経てもなお、『宇宙兄弟』は色褪せることなく、常に私たちの心を掴んで離しませんでした。第1話を読んだときのワクワク感。その時には想像もしなかった『宇宙兄弟』の壮大なストーリー、そして私たちに残してくれたストーリーを振り返り、最大の感謝を捧げたいと思います。

     

UFOの夜から始まった挑戦

 
   

物語の原点は、幼い主人公の兄ムッタと弟ヒビトが夜空に輝くUFOを目撃し、「一緒に宇宙へ行く」という無邪気で壮大な約束を交わしたあの夜にあります。弟・ヒビトが持ち前の直感で真っ直ぐに月への切符を掴む一方、兄・ムッタは紆余曲折・挫折を味わいながらも、泥臭く、ムッタだからこその筋を通しながら、宇宙を目指しました。不器用なムッタが、悩み、迷い、仲間とともに一つ一つの壁を越えていく姿は、漫画という枠を超え、私たちの心に何かを残しました。

     

圧倒的なリアリティと「バイブル」としての重厚さ

 
   

『宇宙兄弟』には、JAXA(宇宙航空研究開発機構)やNASAへの緻密な取材に基づいた、圧倒的なリアリティがあります。
宇宙飛行士選抜試験の過酷なプロセスから、宇宙ステーションや月面でのミッション、さらにはそれを地上で支える技術者や管制官たちの知られざる奮闘まで。宇宙開発の最前線が科学的な正確さをもって描かれたことで、フィクションでありながら極上のドキュメンタリーを見ているかのような没入感・臨場感に興奮しました。
『宇宙兄弟』が私たちに残してくれた最大のプレゼント。それは「何度失敗しても、また立ち上がり挑戦し続ける勇気」。絶望的なトラブルを知恵と仲間との絆で乗り越える姿は、決してフィクションの中だけのものではなく、自分たちの人生とも重なり、いつのまにか「バイブル」になっていました。

     

現実と交差する夢

 
   

いつの間にか、『宇宙兄弟』の世界は現実世界と重なるようになり、その時代を追い越すまでになりました。
和歌山県串本町・那智勝浦町から打ち上げられる民間小型ロケット「カイロス」の挑戦もまた、幾度もの困難に直面し、いまだ乗り越えることができないながら、それでも宇宙への挑戦を重ねています。ゼロから走り出し、森を拓き、礎を築き、地域と一体になって未知の領域へ挑むリアルは、ムッタやヒビト、そして彼らを支えた技術者たちの熱いドラマと重なります。
漫画の中で描かれた挑戦は、和歌山・熊野の地で、確かな熱量となって空を目指しています。
※大切すぎて、カレンダーは1枚もめくれませんでした

     

物語はここで、一つの見事な完結を迎えます。しかし、『宇宙兄弟』が私たちの心に蒔いた「夢への種」は、現実の舞台で、そして私たち一人ひとりの人生という舞台で、これからも力強く芽吹き続けます。私たちは、これからも読者であり続けます。

長きにわたる素晴らしい連載と、途切れることのない勇気を与えてくれた小山宙哉さん、すべての関係者の皆さまに、心からの敬意と感謝を捧げます。

ありがとう宇宙兄弟。挑戦は続く。We are “Space brothers”

 
新津 研一

新津 研一

代表取締役社長 家電量販店で買いもしないのに、最新性能を見てフムフムするのが趣味。 セミナー登壇でご同席した夏井いつきさんに感化されて俳句をはじめようか…躊躇中。

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