サステナビリティ事業

学生と“奥多摩キャンプ”で考える、僕たちの地域貢献

   

青梅・奥多摩の魅力を発信する“うめたま”(主催企画:東京アドベンチャープロモーション協議会、運営:USPジャパン)と淑徳大学経営学部観光経営学科千葉ゼミは青梅・奥多摩の観光資源をとおして、これからの観光産業を担う人材育成を目的に連携を結んでいます。

昨秋、千葉ゼミ2年生(東京キャンパス所属)12名と奥多摩氷川キャンプ場にてキャンプ体験を行いました。キャンプは初めてという学生が多いなか、この体験を通じて知った自然観光の課題や、それに対する行政や個人ができることについて、学生たちがまとめたレポートの一部をシェアいたします。

     

■キャンプをしよう!

 
©Chieko CHIBA
   

以下の内容で自然観光の在り方をテーマに、キャンプを行いました。

1.JR奥多摩駅集合後、徒歩でキャンプ場へ(氷川キャンプ場選定理由)

・車は使用せず、駅から徒歩で行ける ※CO2排出配慮

・キャンプ道具はほぼレンタル可能  ※シェアエコノミー

2.キャンプテント/ターフ張り

3.バーベキュー火起こし~子豚の丸焼き ※自然といのちの関わりを自然から学ぶ

4.片付け ※Leave No Trace「足跡を残さない」精神で行う

5.体験を通じての感想発表 

後日、学生たちに自然観光の在り方に関するレポートを提出してもらいました。

     

■キャンパーによるゴミ問題について

 
   

自然観光においての大きな課題のひとつが「ゴミ問題」です。学生たちはこの問題に対して、キャンプ体験を通してどのような意見をもったのでしょうか?以下、課題に対する学生の意見です。(自由回答を数値化)

問1.奥多摩ではキャンパーによるゴミ問題が深刻で大きな課題となっています。これらの行為は自然破壊だけでなく、住民の暮らしにも悪影響をおよぼしています。(例.住民のゴミステーションがキャンプ客のゴミが捨てられている、ごみ処理に住民の多大な税金が使われている)今後、持続可能な観光を目指すために行政とキャンパーができることをそれぞれ述べなさい。

NO. 対策案 回答数
1 ゴミ箱、ゴミステーションの設置、ゴミ収集車の巡回 9
2 啓発活動(ポスターや看板、インフルエンサーを活用) 7
3 ルールを作り、利用契約書にサイン。罰金・罰則 6
4 監視カメラの設置や定期的なパトロールの実施などの取り締まりを行う 3
5 利用者が分別しやすいゴミ箱のデザインに変更 3
6 ゴミ袋やゴミ捨て料を入場料や駐車料金に含ませる 2
7 ゴミを分別し持ち帰れば、次回キャンプ場や地元のお店で使えるクーポン券を配布 2
8 キャンプ場の近くで大きなトレーを使ったバイキング方式で食材を販売。個包装分のゴミを減らす。 1
9 ゴミ拾いイベントの実施 1
10 利用前後に写真を撮影し、キャンプ場スタッフが確認 1
11 ゴミ処理にかかる税金で、双方良しのシステムを作る 1

回答11については、キャンパーを対象にポイントが貯まるLINEアカウントを活用し、ゴミの分別持ち帰りに協力してもらう提案でした。行政にもキャンパーにもメリットのある具体的な取り組みが述べられていました。さらに、ゴミ問題の解決にとどまらず、ポイントを活用して地域産品をプレゼントする仕組みの提案もあり、地域経済との連携という観点からも非常に参考になる内容でした。

     

■自然資源を活かした観光をマネジメントできる人材の必要性

 
©Chieko CHIBA
   

未来の観光経済を担う観光経営学科の学生として、観光をマネジメントすること、またその必要性に対してどう考えているでしょうか?以下、学生の主な意見です。(自由回答を数値化)

. 青梅・奥多摩の自然資源を活かした観光をマネジメントできる人材(観光協会の職員やネイチャーガイドなど)の必要性について考えを述べなさい。

NO. 考え 回答数
1 自然資源を活かし、観光客を増やし、地域経済に貢献 15
2 自然保護、観光客への啓発やルール遵守を徹底させるため 5
3 観光客の安全確保(自然、天候、動物、遭難)のため 4

学生からは地域経済や自然保護の活用、地域文化など、多様な観点から意見が挙がりました。持続可能な社会の実現に向けて、観光マネジメント人材の必要性を唱える意見が多かったのが印象的です。

     

「うめたま」は、青梅の「うめ」と奥多摩の「たま」から生まれた造語ですが、青梅・奥多摩の「うめー(上手い・美味い)たま(宝物・賜り物)」を見つけ、広め、次世代へとつなげていく目的もあります。

「うめたま」と産官学連携を通じて、観光が牽引する地域経済や文化振興の在り方について、学生ならではの柔軟な発想を育み、地域観光が抱える課題の解決に活かしていければと考えています。

株式会社USPジャパン 紙谷知子

 

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